HAN BENNINKの音。
[intro]
空気の中に春が少しやけどあるかな。
僅かやけど、あったかくなる兆しが、感じられるのは嬉しいね。
さすが、立春や。拍手したろ。
パチパチパチ。
[A]
まあ、3ステージ目やしな。
ソロ1時間やった後、1つ目のセッション。
その後での共演やったから。
ドラムセットを離れて、シンバルを机に置き、垂直に立てて、手を離す。
その傍らに僕はいた。
こちらは、やはり、机の上に置いたプリペアドされたYAMAHAのエレアコ(APX、改造済)。
(机に置いてたのはこれ)
抱えているのは、IBANEZ製ストラト・キャスター(改造済)。
(抱えてたのはコイツ)
シンバルでのパフォーマンスは面白いが、俺はそれと遊びに来たわけではない。
何しろ、血気盛んな、20代だったのだから、なおさらだ。(この辺りが、若い。でも、若いんだから、しゃーないやろ。そーでないと、あかんやろ。基本的に。)
プリペアドされた、ギターをVIOLIN BOWが軋ませる。
「ギィッ。」
HI-MIDのフリーケンシーは、JAZZ CHORUSの許容を軽々と超えてしまう。
ステージ上で、ハン・ベニンクと眼があった。
こちらの唇が無意識レベルで明らかに、喧嘩を売っていた。
ドラムセットに彼が、戻るまで、数秒の間に、プリペアドされたギターはバターナイフを、
振るわせる。
ドラム・セットに座ったときと、音が聞こえたときはほとんど同時だった。
「ヤバイ・・・。ある程度想定はしてたけど。」
ドラムセットに組まれた、スネア、ハイハット、ライドシンバルと、
バスドラムが驚くほどクリアに鳴らされ、一気に飛び込んでくる。
それも、かなりのスピード感と躍動感をもって。
PAを通していないのに、相当デカイ音。
突然、眼前にジェット・コースターが現れて、飛び込んできたら、こんな感じだろうか。
「ゴォッ。」
京都クラブメトロにて。
HAN BENNINKのsite
[A]
PARISでのULTIMA BEZの圧倒的な舞台がテアトルデラビルで終わったあとのこと。
Théâtre de la Ville, Théâtre des Abbesses - Paris
僕は、かなり疲れてはてていた。
何しろ、TICKET代を、PARISのMETRO構内で、何とかして稼いだからだ。
ふらふらに、なっているところにその舞台にいたのが、
MARC RIBOTだったのだから、疲労を通りこして、もはや、
ランナーズ・ハイみたいになっていたのでは、ないだろうか。
ま、色々あってやね。
「ガット・ギターは替えがきかないから。」
そういった、MARC RIBOTの言葉の意味が解り、腑に落ちるまで、随分、時間がかかってしまうことになる。
要するにこういうことや。
良く調整された、ガット・ギターを現地調達することは、本当に難しい。
ストラトや、AMPはある程度の演奏技術と、音の扱い方に長けていれば、ある程度なんとかなる。
ということだったのではないか。
今、ガットを弾き始めてようやく、理解した。(遅い!)
確かにこれ、ガットギターで、自分のPLAYスタイルにあったものを現地調達すんのって、ホンマに大変やろなと。
そんなことで、精密ヤスリを片手に、ガットを抱きながら、弦のクリアランスの調整に勤しむ日々です。
MARC RIBOTのsite
[B]
「踊りをギター1本で支える。」
そんな、伝統がフラメンコには、あるのかもしれない。
そんなことを思った。
「踊りを支える。」
これは、本当に難しい。
むしろ、僕は「踊り」と対峙していたからだ。
今から、僕が興味があるのは「踊り」を支えるギターだ。
何年かかっても良いと思っている。
BACHのブーレを弾きながら。
ゆっくり、正しい音を確認しながら。
しずかに、指の動きを確かめて。
ていねいに、弾くこと。
とか、いいつつ。いやー、20代に音楽理論、必死でかじっといて良かったーとかさ。かなり助けになっています。
実は、まあまあ、詳しいんやで、音楽理論(笑)。
[A]
えーと、ま、そんなわけで、今日のブログでした。
おやすみなさい。